ホームにもどる

天ぷら恐怖症

大好きな南の島のビーチを眺めるケフィ お風呂から出たらタラの芽が天ぷらになっていた。それを見て、またケフィの「不在」を数えずにいられなかった。

 もう何年も前、南の島の宿で天ぷらを揚げたことがあった。基本、旅行中は自炊なので毎日のように市場に通い詰め、関東では手に入りにくい野菜を買っては実験よろしく調理するのが常。
 困ったときは「高温で揚げればなんとかなる」と、天ぷらにすることが多かった。

クリックで拡大

ニンジンモドキ

携帯用フードボウルをくわえて『ゴハンちょうだい』と宿でもさい そく ある日、「ニンジンモドキ」という見慣れない野菜にチャレンジした。「モドキ」とは言うもののニンジンとはまったく似ていない、肉厚で歯ごたえがある葉っぱである。葉を洗い、衣を付け、油に投入したとたん・・・ものすごい勢いで油がはねた!

 たぶん、水切りの仕方も悪かったのだと思う。今まで経験したことのない油はねに驚いた私が「ぎゃぁ~~!」と悲鳴を上げながら飛び退いた。すると、私の真後ろにいたケフィも飛び上がった! 

 よっぽど怖かったのだろう。ケフィはそのまま入り口へと猛ダッシュ。料理が終わるまでの間、玄関前にある棚の影に避難。ずっとこちらをのぞいて様子をうかがっていた。

天ぷらが天敵に

 以来、天ぷらはケフィの天敵になった。揚げ始めると「大変だ!」「大変だ!」と部屋中を駆け回り、家中の人に知らせにきた。私がお風呂に入っていれば浴室まできて、ドアを叩いたり、鼻を鳴らして「大変なことが起きてるよ!!」と教えてくれた。そうして自分はさっさと2階や玄関など、安全な場所へと逃げ込んでいた。

 だから、天ぷらを揚げ始めたら、すぐに分かった。

まだまだいっぱい

 思い返せば、手巻き寿司だけではなかった。天ぷら、鍋料理、おにぎりに納豆、卵焼きに卵かけごはん、パスタにうどん、キャベツにヨーグルト、焼き芋・・・キリがないほどの食べ物がケフィとつながっている。
 
 ケフィの「不在」を数える機会は、まだまだ減りそうにない。
にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病記(永眠)へにほんブログ村 猫ブログ 地域猫へにほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ

ケフィが紡ぐご縁

ぬいぐるみ大好き! ケフィの遺品を整理し、ほぼ未使用の首輪やおもちゃ、シニアフード、薬などを犬の保護活動をしている団体に送った。
 改めて検索してみるとあまりにもたくさんあって、しかもみなさんとても頑張っておられて、いったいどこへ送ったらよいものやら途方に暮れ、時間がかかってしまったがジェントルクリーチャーズ(公式HP )(Facebookページ)という団体を選ばせていただいた

 決め手になったのは、(1)大型犬を中心に保護活動をしていること、(2)あまり大がかりな組織という感じがしないこと(大型犬を心から愛する個人が運営している感じがとてもしたこと)、(3)ケフィが常宿にしていたテニスコートのあるペンションから近かったこと、である。

クリックで拡大

ケフィの姿が浮かぶ遺品たち

 同団体のHPには「不要になったものでもかまいません」と書かれていたが、歯形がついたおもちゃや着古したレインコート、子犬の頃に入っていたケージなどは、やはり手放せなかった。
  
 楽しそうにおもちゃをくわえていたケフィ、レインコートでお散歩するケフィ、あどけない表情をしたケフィ・・・どれもこれも、それを使っていたときのケフィの姿が浮かぶ。どれもまるで昨日のことのように鮮やかなのに、もう戻れない遠い日なのだ。

頭が下がる

 同団体を運営しておられる岡本さんのブログを読んでいると、本当にたくさんのコたちがすんでのところで救われている。もちろん、ゴールデンもいる。

 繁殖犬としてひたすら「利用され」てきたコ、養育放棄されたコ、ずーっとずーっとつながれっぱなしの人生を送ってきたコ、病気になって年を取って放り出されてしまったコ・・・。ついつい気になってしまって読み進み、せっかく生まれてきた命がこんなふうに扱われている現実に悲しみと憤りが隠せない。

 そんな現実にただ涙する私とは違って、黙々と犬たちを受け入れ、世話をし、新しいお家を探し、何度も別れを経験しながらもずっと活動を続けている岡本さんに頭が下がる。

幸せを返していけたら

ぬいぐるみにもたれてお昼寝中 ケフィが残したものが、辛い人(犬)生を生きてきたコたちの、ほんの小さな助けにでもなったらいいな、と思う。
 そして、ミーちゃんがいなくなってもずっと地域猫や野良さんたちを救っているようにケフィの存在がこれからたくさんの命を救うことにつながることを心から願っている。

ミーちゃんがいなければ、外で暮らす猫たちの過酷な現実を知らないままだった。地域活動にも興味を持ったりしなかった。
 今回はケフィがつくってくれたご縁。宝物のような時間をくれる犬たちに少しだけでも幸せを返していけたら、と思う。

にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病記(永眠)へにほんブログ村 猫ブログ 地域猫へにほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ

開き直り

ベランダのお気に入りの場所でお昼寝するゆめ

「桜が開花」のニュースを聞き、私はまたひとつケフィの不在を数えた。
 この季節は、桜並木の河川敷がケフィとの散歩コースだった。

「ほら、河津桜が咲いたよ」
「ソメイヨシノのつぼみが膨らんだね」
「八重桜がもうすぐ満開だよ」

 そんな話しをしながら、ケフィとわずかな季節の変化を楽しんだ。ケフィは目をぱちぱちさせながら桜の花を見上げたり、その幹の匂いをかいで、春の訪れを感じていた。

 だけどもう、ケフィと桜を見ることはない。今年は河川敷にも足を運ばない。
 それでも桜の便りを聞くだけで、車窓から桜の花を見るだけで、ケフィの「不在」を感じてしまう。そのたびに、ケフィとでんがいた頃を思いだしてしまう。

自分を責めるのはやめた

冬は暖房前の長座布団がふたりの定位置だった でも、それでいい。「いつまで泣いているんだ」とか「ゆめやタマやタリがいるのに申し訳無い」などと、自分を責めることはもうやめた。

 ケフィは16年もの間、朝になると強制的に私を起こしてボール投げをさせ、トイレを要求した。自宅で仕事をしている日は、昼になると「ゴハンちょうだい」と言い、夕方になると「散歩の時間だよ」と足踏みしながら、パソコンに向かう私の膝にあごを乗せて催促した。

 離れていても、「今頃昼寝してるかな」「そろそろトイレに行きたいだろうな」「夕飯はケフィの好きな手巻き寿司にしよう」「早く帰って散歩してあげなきゃ」などと、私の思考に入り混み、私にさまざまな拘束を与えた。

 強制的に私を連れ出し、ともすれば季節どころか朝昼晩の境さえ忘れがちな私に、季節の移り変わりを教え、一日に区切りをつけてくれた。そんなケフィの横にはいつも、でんがいた。

 それが私の毎日であり、16年間だった。たった3カ月でリセットできるわけがないではないか。

クリックで拡大

ケフィでしか埋められない
 
 新緑の時期になれば、木陰で涼むケフィのことを思い出すだろう。梅雨に入ればレインコートを着て散歩したケフィとの時間が甦ってくるだろう。初夏になれば海でボールを「持ってこい」するケフィが、秋になれば紅葉のなかでトレッキングしたときのケフィを思い浮かべるだろう。

 これからもしばらくの間、ケフィの「不在」を数えながら、めそめそして過ごすことになるだろう。どれもこれも当たり前のことだ。

 以前、「みーちゃん」さんが書いてくれたように、ケフィの「穴」はケフィでしか埋められないのだから。
にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病記(永眠)へにほんブログ村 猫ブログ 地域猫へにほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ

見えないケフィと暮らして3カ月

ハスキーのグレイの後ろ姿がなんともかわいい『グレイがまってるから』(中公文庫) もうすぐケフィが天に昇って3カ月になる。
 
 ふいに『グレイがまってるから』(中公文庫)が読みたくなって手に取った。絵本作家の伊勢英子さんが、わずか5歳で癌によって亡くなった愛犬・グレイ(ハスキー)との生活やグレイへの思い、「犬の愛おしさ」について書いた作品である。

 思い起こせば、この本を買ったのは先代犬・りゅうが亡くなった直後だった。本屋で、まるで何かに導かれるように手に取ったこの本はなんとも言えない犬との幸せな毎日が描かれ、哀しい別離で締めくくられていた。

クリックで拡大

本の影響

雪の見納めとなった昨年11月末 りゅうを失った後、同書と、その続編である『気分はおすわりの日』(中公文庫)を何度も繰り返し読んだ。考えてみれば「大型犬っていいな」と思いはじめたのは、これらの本の影響だったのかもしれない。

 今日まで忘れていたがケフィが子犬だった頃、「ケフィはグレイの年まで生きられるか」と不安だった。その後、テレビ東京のバラエティ番組『ペット大集合! ポチたま』に出演していたまさおくん(ラブラドール・レトリーバー)が悪性リンパ腫のため7歳で亡くなったと知り、「ケフィは7歳を超えられるのか」と気が気ではなかった。


「不在」を数えながら

 同書の最終章「グレイが何を待っていたのか ききそびれた話」で、空へと駆けていったグレイを見送った伊勢さんは「それから私は 風をおいかけることも 季節が変わることも 時の存在も忘れた。欲もおしゃれもなく 夢も発見もなく ことばさえ忘れ 私はただのおばさんになった」(185~186ページ)と書かいている。今の私と同じだ。

 そして「見えない犬と暮らしはじめて三カ月たとうとしている」と、こう著している。

「『気配』というものは『存在』『実存』あってこそ感じるものらしい。『気配』だけでも感じたい、と思っても想像力を駆使して『不在』というフィルターを通して逆説的に思い起こすしかない」(186ページ)

 もしかしたら私が「揺り戻し」と思っている現象は、三ヶ月がたってケフィの「不在」を実感せざるを得ないシーンをいくつも経たがゆえの寂しさなのかもしれない。

 ケフィの「不在」を数えながら、今も私はそうして見えないケフィと暮らしているのだ。
にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病記(永眠)へにほんブログ村 猫ブログ 地域猫へにほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ

ミーちゃんのご縁で取材を受けた

最初の行方不明後、戻って来てばく睡中の ミーちゃん ミーちゃんのご縁で、昨年からさいたま市岩槻区で展開されている地域興しのための「岩槻ひまわりプロジェクト@地域猫ご縁」について地域新聞の取材を受けた。

 ミーちゃんを探す過程を描いたブログが本になり、それもとに映画『先生と迷い猫』が制作された。そして昨年、映画と一緒に「岩槻映画祭」に招いていただいた。

 そこでつながった地域の方々が、私も子どもの権利条約日本(CRC日本)の活動として震災以降続けてきた「自宅や地域でひまわりを育て、その種を福島市の障害者支援団体NPO法人シャロームへ届けてひまわり油づくりに役立ててもらう」という活動に興味を持ってくださり、始まったプロジェクトだ(岩槻ひまわりPJ♥地域猫ご縁)。

 昨年は、約30もの個人・団体が参加してくださった。それを「もっと広く知ってもらって、みんなに楽しく参加してもらおう!」(取材者)というのだ。本当にありがたい!!

クリックで拡大

ミーちゃんへの恩返しは?

知人 が見つけた『先生と迷い猫』上映会と地域猫を考える集まりのお知らせ ミーちゃんが姿を消したのは2008年。それからもう今年で9年になろうとしている。それでもまだ、こうして地域に貢献し、いろいろな関係性をつなぎ続けているのだからミーちゃんは本当にただ猫ではない。
 
 最近「都内のとある商店街を通っていたら『映画鑑賞後、地域猫について考えましょう』という掲示板を見た」という情報も得た(写真)。ミーちゃんは、遠くの地域猫たちをも救っているのだ!

 そんなミーちゃんに、私はどれだけ恩返しができているのだろうか。
 なんだかんだと言っても、ケフィやでんは最期まで面倒をみてあげられた。足りなかったことや至らなかったこともあるけれど、それなりに「やりきった」感もある。

 だけど、ミーちゃんは違う。「連れ去られないようもっとしっかりチームをつくって世話をすれば」、「何が何でも特定の飼い主を探すべきだったのでは」、「探す場所をもっと広げていたら」などなど、悔やむことばかりである。
 
 愛する命が消えていくのを見送ることもつらいけれど、帰ってくるかどうか分からない存在を待ち続けることも辛い。期待や後悔がずっと大きくなってしまうから。


ミーちゃんは今どこに

 行方不明当時、すでに推定13歳だったミーちゃん。生きていれば20歳を超えている。果たしてミーちゃんが今もどこかで元気に暮らしているのか・・・。ずっと望んでは来たけれど現実的はかなり難しいのではないかと、うっすらと分かっている。

 だけどもし、万が一、たとえばの話ではあるが、ミーちゃんも虹の橋を渡っていたとしたら、今頃はでんやケフィと合流しているのではないか。我が家の動物たちと一緒に、遊んだり、のんびりしたりしながら、ときどきは商店街のみんなのことを思い出し、そっと会いに来てくれているのだろうか。

 そして、地域をつなぐひまわりプロジェクトを応援してくれているに違いない。
ブログリニューアル
このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
ブログについて
さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
プロフィール
カテゴリ
本 (8)
RSSリンクの表示
迷子のミーちゃん
迷子のミーちゃん表紙
先生と迷い猫
先生と迷い猫
ブログランキング
にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病記(永眠)へ
にほんブログ村 猫ブログ 地域猫へ
にほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ
月別アーカイブ
04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  10 
検索フォーム
最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
カウンター
最新記事
ページへ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
QRコード
QRコード