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シンデレラ猫

いっときはずーっと我が家を見張るように周囲をうろうろしていた白黒 猫 それから本当に新顔猫以外の猫は、まったく姿を見せなくなった。あんなに毎日、窓を開ければそこにいたようなソックス猫(ほとんど黒で足だけ白い)や白黒猫(写真)もまるで見かけなくなった。

「みーちゃん」さんが、前回のコメントで書いていたとおり、猫同士、なんらかの話し合いの上で折り合いをつけるのか。それとも「自分の居場所はここだ」とか、「ここは自分の場所じゃない」とか本能でわかるものなのか。

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ペットシッターさんのつぶやき

 そう言えば、いつもお願いしているペットシッターさんもこんなことを言っていた。

「他の子とのケンカに負けて、ある日ふいにどこかへ行ってしまうことも珍しくないですよね。そうかと思えば、何年か後にふらっと戻って来たり・・・。『今までいったいどこにいたの?』って思います」

タマはシンデレラ

布団の上でのびのびと「のびきった」タマ

 仕事柄、たくさんの猫たちの世話をしてきたシッターさん。さまざまなお宅で、さまざまな場所で、多くの猫模様を目撃してきたという。いっときは、ある家に定着したように見えたのに、他の子と合わなくて家出してしまう子や、タリのように事故に遭う子もいるらしい。
 そんな経験からなのか。こんなことも言っていた。

「野良に生まれた子が、どこかで安定してゴハンをもらえるだけでなく、どこかのお家の子になれるなんてことはめったにありません。ましてやそのおうちでかわいがられて天寿をまっとうできる子は本当に少ないと思います。このお家の子になれて、こんなに安心しきって暮らしてるタマちゃんはシンデレラですね」

ミーちゃんがいなくなって9年

 振り返ってみると、でんすけもシンデレラだったんだろうか。ガラスの靴の代わりに、にゃんこの足跡を残して逝ったタリはどうだったんだろう。

 野良の子が、安心できる居場所を見つけて、天寿をまっとうするのはそんなにも難しいことなのか。どんな子もお腹いっぱい食べ、迎えてくれる家があるような世の中にはならないのか。
 
 もうすぐミーちゃんがいなくなって9年になる。その後、ミーちゃんの人生はどうだったんだろう。もう一度、シンデレラになっただろうか。
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他の子はどこへ?

暗闇のなかに白いソックスのような足だけ浮かび上がった 南の“国”に行く前は、三匹の兄弟らしい幼い猫と白黒の大きな猫、新顔猫の合計5匹が入れ替わるように顔を出していた。

 しかしそのなかで、でんとミーちゃんを足して割ったような風貌の猫は、すぐに姿を現さなくなり、もう一匹の三毛と全身ほぼ黒で手足だけ白い猫の二匹だけがやってくるようになった。
 その後、この三毛も来なくなり、来るのは手足だけ白い猫と白黒猫、そして新顔猫だけになった。

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伸びた寝姿がタリのよう

旅行中にシッターさんが撮影したタマの写真 手足だけ白い猫は、白黒猫とも新顔猫とも親しくて、一緒にゴハンを食べる仲。そのうえけっこうな肝っ玉の持ち主で、我が家のデッキで爆睡していたこともある。私が近づいてもピクリとも動かないので「もしや死んでる?!」とドキドキしたほどだ。
 私が触ろうとすると、びっくりして起きて飛び上がって走り去った。

 爆睡中の、でろーんと伸びたくつろいだ姿は、どことなくタリに似ていた。「死んでるのか」とどぎまぎしたため、写真を撮らなかったことが悔やまれる。


南の“国”へ

「新顔猫はタマと仲良しだし、手足だけ白い猫はタリに似ている。白黒猫だけ出て行ってもらうのもかわいそう。だけど全員、仲良くなれるのか。またケンカでも勃発したら目も当てられない」

 なんて考えながら、南の“国”へと旅立った。その間、タマはおなじみのシッターさんにお願いした。シッターさんには、最近、我が家を訪れる外猫たちの話をし、ゴハンをあげてくれるよう頼んだ。

猫は不思議

 帰国すると、なぜか毎日、新顔猫だけがやってくるようになった。白黒猫は、一度、デッキの手すりを歩いているのを見かけたが、ゴハンを食べに来る様子は無い。力関係でいうと新顔猫より白黒猫のほうが上だった気がするのに、この場所を新顔猫に譲る決心をしたのだろうか。
 いずれにせよ、人間が介入する間も無く、猫たちの間でなんらかの決着がついたようだ。

 いったい三毛と手足だけ白い猫はどこへ行ったのか。どこかで無事、ゴハンをもらえているのか。まだ若そうだったから、かわいがってくれる人間を見つけたのならいいのだが・・・。

 猫は不思議だ。いったいどこから来て、どこへ行くのか。
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習い性

 遅い夏休みを取り、南の“国”に行ってきた。
 ケフィがいたときにはなかなか行けなかった海外。「ここは思い切って」と、ケフィと一緒の夏休みに比べると半分以下の短さではあったが、常夏の国に行ってみた。

南の島とはどこかが違う

生まれてはじめて飛行機に乗って南の海に降り立ったケフィ 蒼く澄んだ空。黙々と立ち上がる入道雲。たまに起きるスコール。そして、きらめく青い海。・・言葉で表現するとケフィと毎年過ごした南の島と同じようなのだが、やっぱりどこかが違う。

 吹き渡る風が、少し乾いているからなのか。珊瑚礁が違うのか。遠目にみるとエメラルドグリーンなのに、近くに行くとコバルトブルーに輝く、ケフィが大好きだった南の島の海とは違っている。

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海を評価

お風呂状態で海につかるのが大好き それでも私たち家族は海を目にするたびに

「ここのビーチはケフィに良さそうだ」
「この波の高さではケフィが泳ぐには難しい」
「ボールを投げたら潮の流れが速くて危険だね」

 などと、目の前の海についてあれこれ評価した。
 そして、ホテルの手入れが行き届いた庭を見ては「ケフィを放したら大喜びで走り回るに違いない」と話し、食事が出れば「これはケフィが好きそうだ」と会話し、道を気ままに渡る鶏を指して「ケフィが見たらびっくりして逃げ回るも」と笑った。


ケフィはいつも一緒

 もう、習い性になっているのだ。何を見ても「ケフィならどうか」と考えないわけにはいかない。私たち家族の長い長い習慣になっているのだ。
 いないことが悲しいとか、寂しいということを超えて、もうそれが当たり前になって染みついてしまっているのだ。
 
 南の国にいる間、今、ここにケフィがいて、楽しそうにはしゃいでいる姿を見ているような楽しい気分を何度も味わった。

 こうやっていつどこにいても、何をしていてもケフィは私と一緒にいる。ケフィの笑顔に包まれて、ケフィとの幸せな時間を過ごせた旅行だった。
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運と縁(3)でんすけの命日に寄せて

 9月19日はでんすけの命日だ。19年前の9月、台風の日に我が家で子猫を産み、私と人生を共にする猫になったでんすけは、2年前の今日、お星様になった。

 生涯、私以外の人間には心を許さなかったでんすけ。私のことだけを信用して、私だけを拠り所にして、私だけに抱っこされ、私の腕のなかで息を引き取ったでんすけ。
 そんなでんとは、なぜかしっかりと赤い糸で結ばれていたという確信がある。きっと確かな縁でつながっていたのだろう。

三兄弟登場

突然現れた兄弟らしき猫。お腹を空かせているらしい。
「新顔猫」とはどうなのか。「もやっ」としたものを抱えながら寝起きしていたある日、今度は三兄弟らしき猫が現れた。小雨がぱらつく、ちょっと肌寒い夜だった。

 二匹は三毛。一匹は白黒だけど手足の一部以外はほとんど真っ黒な猫だ。遠目にしか写真が撮れなかったので分かりにくいが(写真)、三毛猫のうちの一匹がミーちゃんとでんに似ている感じ。体格からして、まだ小さい。生後1~2月くらいだろうか?

 家人と「ミーちゃんとでんを足して2で割ったような猫がいる」「まだ子猫みたいだから飼ってあげようか」などと話し、ゴハンを持って外に出た。

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「新顔猫」再登場

またまたデジャブな風景 ・・・すると、どこにいたのか「新顔猫」がするりと私の足下に現れた。三兄弟のために置いたカリカリを一緒に食べている。まるで家族のようだ。
 よっぽどお腹を空かしていたのか、新顔猫は皿に顔を突っ込み一心不乱に食べ続けた。

 その日を境に、「新顔猫」は毎日、我が家にやってくるようになった。だいたいは朝と晩。デッキまで上がってきて、窓越しにこっちを見ていることもある(写真)。その様子は、タリの登場時と重なる感じだ。


猫との縁

 怖い思いをすると二度と来なくなってしまう猫もいるから、「もう二度と会えないかも」と思っていた。
 でも「新顔猫」はまたやってきた。これは「新顔猫」が持っている運なのだろうか。運がない子は、お腹を空かしても、もう一度、ゴハンをくれた家に近寄る勇気が無く、さまよい続けることになってしまうのだろうか。

 そして、たくさんの猫が通り過ぎていく中で、確かな関係を結ぶ猫がいるのは、猫と私の縁なのだろうか。 
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運と縁(2)

どこかで見た風景? 家の中をのぞく「新顔猫」 久々に「新顔猫」がやってきた翌朝、まだ暗い時間にデッキで「ぎゃぁぁぁ~ぉぉぉ~ん」「ふんぎゃぁ~~」という猫が威嚇しあう声と、ドタンバタンという大きな物音がした。

 いったい、だれとだれが闘っていたのかは分からない。でも、そのことがあってから、また「新顔猫」は現れなくなった。

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思い出す「みーちゃん」さんのコメント

「受け入れあぐねているうちに時が過ぎてしまっていた・・・」
 
 タリが亡くなった後、「みーちゃん」さんが付けてくれたそのコメントを何度もかみしめている。タリのことがあったからなのか、姿を見せなくなった「新顔猫」がやたらに気になった。
「初めて会った日に、ちゃんとゴハンをあげていたら、『新顔猫』との展開は違ったのではないか」
「多少、他の猫に追い払われたくらいではいなくなりはしなかったのではないか」

 そんな考えが頭から離れなかった。

受け入れあぐねてしまう理由

一心不乱にゴハンを食べる「新顔猫」 受け入れあぐねてしまうのは、去っていかれるのが怖いからだ。

 外からふらっとやってきた縁もゆかりもない猫だったはずなのに、気にかけているうちに、いつの間にか「いなくてはならない猫」になってしまう。

 でんすけやタマやタリのように、きちんと家に定着できる猫はそうはいない。家をのぞきに来たり、すっかり懐いているかのように思えたのに、まったく姿を見せなくなってしまう猫も多い。猫自身の意思なのか、それとも不慮の出来事に見舞われたのかは分からない。そのたびに私は、
「どこへ行ったのか」
「ちゃんとゴハンは食べているのか」
「どこかで怖い思いをしていないだろうか」
 と、心配せずにいられない。嫌な夢を見たり、寝付きが悪くなったりもする。踏ん切りがつくまでの間、つねに胸の中に「もやっ」としたものを抱えて暮らさなければならない。
 ミーちゃんがいなくなってしまったときもそうだった。

 そんな生活は辛い。だから「この子はもうどこにもいかない」という確信が芽生えるまでは、猫には名前をつけないようにしている。だから「この子を受け入れて大丈夫か」と、いつも迷い、受け入れあぐねてしまうのだ。

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このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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