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ケフィ倒れる!!(2)

ボールみっけ! ケフィの戸惑いが伝わってくる。気持ちはあるのに、立ち上がることができない。自分の体の状態が分からず、現実を受け入れられないでいるのだ。

 私がケフィが倒れた現実を受け入れられないでいるのと同じように・・・。

 そばに行って頭をなでると、嬉しそうに目を細め前足をぱたぱたさせる。しっぽはいちだん勢いよくふ左右に振れた。私の手をなめ、いつもの通り私に体を預けて「お帰りなさい」のあいさつをしようとする。
 だけど、うまくできない。

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長い夜

 ケフィはもちろん、私も家人も、動揺していた。いったいどうしたらよいのか分からなかった。
 すぐにネットで調べたが、素人に病名が特定できるわけもない。ただ「ただごとではない」ことが分かるだけだ。

 時間は、夜中の12時を回っていた。家人と相談し、朝いちばんで病院に連れて行くことにして、今夜はもう床につこうということになった。

 ケフィのまわりにはふとんやらカーペットを敷き詰め、長座布団から落ちたとしても板の間に寝ないですむようにした。もし、おもらしをしてもケフィが冷たくないよう、子犬の頃に使っていたおねしょシートも敷いた。

 翌日は仕事が休みだった家人がケフィに添い寝をし、朝が来るのを待った。眠りは浅く、朝は遠く、本当に長い夜だった。
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ケフィ倒れる!!(3)

宮古島の海で泳ぐケフィ 翌朝、後ろ髪引かれる思いで私は仕事に出かけ、病院に連れて行くのは家人に任せた。

 長座布団を担架代わりにして車まで運び、病院では看護師さん達が駐車場から診察室まで運んでくれたという。

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いつの間にか涙が

 出勤途中、南の島で嬉しそうに泳いでいたケフィや、つい2日前に公園でやったボール投げの様子、いつもの散歩よりちょっと長めのコースを元気よく歩いたおとといのことなどが、次々と思い出され、気がつくといつの間にか涙が頬を伝っていた。

「あれが最後だったのかもしれない。もう2度とあんなことはできないのかも・・・」

 そう思うと、悲しくて、切なくて、涙が止まらなかった。

診断名を知るのが怖い

 仕事の間は、極力、ケフィのことは考えないようにした。うっかり考えたら、その場で号泣してしまいそうだったから。

 そして昼休み。携帯電話には、病院での診察結果を受け、なんらかの連絡が入っているはずだが、怖くてなかなか見ることができなかった。

 診断名を聞かないうちは楽観的な希望を持つこともできるけれど、病名を知ってしまったら、もうそれを受け入れるしかない。

どきどきしながら

「もう一生寝たきりです」
「先はそう長くありません」

 そんなふうに言われていたら、いったいどうしよう。私はその診断を受け入れることができるのだろうか?

 どきどきしながら勇気を出して携帯電話のメールを見ると!

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ケフィ倒れる!!(4)

途中でおやつ「メニエール病。前庭障害。治る可能性あり。数日間入院」

 メールを見た瞬間、思わず声に出してつぶやいた。「神様、ありがとうございます!」と。

 無神論者の私がそんなことをつぶやくとは厚かましと分かっていた。でも、そうせずにはいられなかった。本当に心の底から「神様はいる!」と思えたし、だれかにお礼を言わずにはいられなかった。

 先ほどまでずっしりと胃のあたりにたまっていた塊がすぅっと軽くなり、ほっとしたのか目頭が熱くなって、ぽろぽろと涙がこぼれた。

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メニエール病

 メニエール病になった原因は特定できないが、それによって周囲がぐるぐる回った状態になり、バランスが取れず、立ち上がることができなかったらしい。医師が見ると、眼球が激しく動いている様子がすぐに分かったという。

 言われてみれば、昨夜、ネットで見た「犬が突然立ち上がれなくなる」病気のなかにメニエール病もあった。

 だが、まさかメニエールで、あそこまで動けなくなるとは思わず、てっきり脳卒中か何かだと思ってしまった。

後遺症は残る?

 翌日、見舞いに行くとケフィは点滴につながれ、首を傾け、焦点が定まらないような目をしながらも必死に立ち上がろうとしていた。私が帰ろうとすると「なんで置いていくの!」と抗議の声を上げる元気さも戻ってきた。

 3日もするとわずかに立ち上がれるようになり、4日目には「立ち上がって排泄した」と聞いた。

「たぶんあと数日で眼球の振動が止まり、退院できるでしょう。また立ち上がれるようにもなると思います。でも、この首の傾きは、後遺症として残るかもしれません」(獣医師)

「首の傾きなんかどうでもいい」と思った。「寝たきりにならだいだけで、もう十分」と思ったし、「生きていてくれてありがとう!」ーーそんなふうに心底、思った。
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ケフィ倒れる!!(5)

宮古島のケフィ 緊急入院となってから10日間ほどケフィは入院。退院後も数日おきに通院となった。退院当初はよろよろとしか歩けず、目はあさってのほうを向き、首も激しく傾いていた。

 バランスを崩してよく転び、やたらに物にぶつかった。入院中はほとんど歩かなかったので筋肉が弱ってしまったということもあるのだろう。

「本人が嫌がらなければ、散歩でも遊びでも何でも今まで通りしてあげてください。とくにやってはいけないことはありません」と獣医師に言われたので、なるべくいつも通りの生活をするようにした。

 散歩の途中、よろけて座り込んだり、坂になっているところでは後ろに転げてしまうことなどもあった。それでも、ゆっくり、ゆっくり、声をかけながら歩くようにした。ケフィも大したもので、転んだときはちょっとびっくりした顔をするものの、転んでも、転んでも、また立ち上がり、ちゃんと付いてくる。

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首の傾きもご愛敬

 そうして退院から1月が過ぎる頃には、今までと同じくらいの距離を、今までとほぼ同じスピードで歩けるようになった。目も焦点もきちんと合い、こちらから言わない限り首が傾いていることに気づく人もいなくなった。

 よぉーく見ると「ビクターの犬」みたいな少しの傾きはあるけれど、それもご愛敬だ。食欲はもちろん旺盛! 階段の上り下りは苦手になったし、ボール投げもしようとしなくなったけれど、体は元気元気。14歳を過ぎた老犬とは思えないすばらしい回復力だ!

悪天候の散歩も貴重

 ケフィが退院してから、土砂降りの中の散歩も、強風にあおられてのトイレも、寒くて凍えそうになる日のおでかけも、「こんなふうに一緒に歩けるなんて、なんてありがたいんだろう」としみじみ感じるようになった。
 
 あと何回、こんな豪雨の中を二人で歩けるか分からない。あと何回、かじかむ手でリードをにぎりしめながら散歩できるか分からない。

 そう思うと、悪天候での散歩でさえ、とっても貴重な経験だと思えるようになった。

「めんどうくさいなぁ」と思う状況があるありがたさ。「おっくうだなぁ」と思いながらも一緒に散歩できる喜び・・・。
 これからもずっと、ずっと、そんな幸せをかみしめながらケフィと一緒に歩いて行こう。
 
 どうかこの幸せが少しでも長く続きますように!
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このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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