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ケフィ、今年の夏も海に行く!!(3)

介護ベスト姿のケフィと見守るタリ 治療をはじめて10日後は、前々から予約していた小旅行の日だった。目的は、夏休みを過ごすのによさそうな近場の海を探すこと。でも、今の状態のケフィを連れて行ってよいのかどうか考えていた。

 治療は始めたもののあいからずケフィはぐったりとして、あまり食欲も無く、寝てばかりだった。トイレのときには介護ベストを着ないと心配な状態も続いていた。

 そして右胸部分はリンパが大きく腫れ上がり、毛は抜け落ち、皮が割け、膿のようなものがべったりと張り付いていた。想像していただくとしたら、「熟れた果実の実がはちきれ、なかから果汁がしたたっているような状態」という感じだろうか。

 そのままにしておくとなめて悪化させてしまうので、洋服を着せたり、カラーをつけたりしてなめさせないようにするのに必死だった。

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「行きましょう! 大丈夫」

 そんな状態のケフィにとって旅行が楽しいと思えるのか? 連れて行くことは、ケフィにとっていいことなのか? 人間の自己満足ではないのか???
 
 いろんな考えがまたもやグルグルとする。ケフィが倒れてからというもの、悩んだり、迷ったり行ったり来たりすることばかりだ。

「いっそのことキャンセルしたほうがいいのでは・・・。でも、もしかしたらこれが最後の旅行になるかもしれない。だったらやっぱり行くべきかも・・・」

 迷ったあげく担当獣医師に相談することにした。「ケフィに負担がないようにしたい」と思いつつも、「『やめたほうがいい』と言われたら、あきらめなければいけない」という思いで、恐る恐る尋ねると、獣医師は迷わず言った。

「行きましょう! 大丈夫です。行けますよ」
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ケフィ、今年の夏も海に行く!!(4)

 獣医師の言葉に励まされながらも、おっかなびっくりの小旅行。行くときの車の中でも、宿に着いてからも、ケフィはただ横たわっている。その姿をみつつ「やっぱり、無理だったかなぁ」と心の中でつぶやいていた。

奇跡が起きた!

体調が良くなって笑顔のケフィ ところが2日目の夜、人間が夕飯を食べていたところ(我が家は旅先でもほとんど自炊)、おもむろにケフィが立ち上がり、テーブルの側に寄ってきた。
 首をかしげながら人の間を行き来し、「なに食べてるの?」「おいしい?」「なんかちょうだい」と言わんばかりにしっぽをぶんぶん振り出した。

「やっぱり旅行に来ると元気になるのかな?」

 そんな会話を楽しんだ翌朝、本当に奇跡が起きた!!

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ごろん、ごろん

久々のごろん、ごろん 前日までは本当に動くのがおっくうそうで、トイレに連れ出すのも一苦労だったケフィだったのに、庭に出たとたん、嬉しそうに小走りし、草の臭いをかぎ、海からふく風を味わうように鼻をひくひくさせて、外の空気を楽しみはじめた。

 そして、なんと驚くことに、庭の土に体をあずけ、「ごろん、ごろん」と砂浴びを始めたのである。こんな姿を見るのは何ヶ月ぶりの事だったろう。

「ケフィが、ごろん、ごろんしてる!!」

 私は小躍りしてカメラをかまえた。こんなに元気に、楽しそうにしているケフィにまた会えるなんて!


ひたすら海を見つめて

ひたすら海を見つめて あとから冷静に考えてみると、本格的な治療が始まって2週間弱。薬が効いてきて楽になりはじめたタイミングだったのだろうと思う。

 帰り際、海に立ち寄ると、ケフィは「海に入らないの?」と言いたげに人間をちらちらと振り返りながら、何十分もひたすら海を見つめていた。
 3月の海はまだ冷たい。少し入ってみることも考えたが、ケフィは病み上がりだ。だから、こうケフィに約束した。

「また、今度にしよう。今年の夏も海に来よう」

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でんすけの命日

宿の庭でくつろぐ でんすけ 9月19日はでんすけの命日だ。この日の朝まで、でんはこの世に存在し、昼には天使になった。

 昨年の8月末は、でんも一緒に海に行った。旅行から戻ったあとは、それまでとは様子が違って点滴をしても食欲が回復せず、毎日、病院で点滴を受ける生活になった。

 そんな生活を20日あまり続けたあと、もう意識ももうろうとするなかで天へと旅だって行った。

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「もう1年?」それとも「まだ1年?」

赤いリードで結ばれたでんすけ その後、前回までのブログでも書いたようにケフィが体調を崩した。以来、定期的に動物病院に通ってきただけでなく、大型犬だけにトイレに連れ出すなど日々の世話もたいへんで「あれよ、あれよ」という間に1年がたった。

 昨年10月にはタリがデッキに現れ、その後はタマとの攻防もあった。ゆめも年老いて、食欲が落ちたり(秋になって食欲は若干復活したけど)、一時的に立てなくなったりした。

 そんなこんなで、動物たちとのこの1年はあまりにも忙しかった。
 そのせいなのか「もう1年になるんだなぁ」という思いと「まだ1年しかたっていないんだなぁ」という思いがどっちもある。


いつになったら過去に?

 今もありありとでんすけの声が耳に聞こえる気がするし、頭やお尻をなでたときの感触。年をとってぱさついてきた毛の手触り。亡くなる数日前にじっと私を見つめていたエメラルドグリーンの瞳がつい昨日のことのように思い出される。

 そして、1年もたつというのに、やっぱり胸が熱くなって涙がこぼれてしまう。「猫と暮らす」という喜びを教えてくれたでんとは「赤い糸」で結ばれていた。やっぱりでんはいつまでたっても特別な猫だ。

 あと何回、命日を迎えたら、でんはすっかり「過去の思い出箱」に収まってくれるのだろうか。明るく「賢くて、かわいい猫だったねー」と、家人と話すことができるのだろうか。
 今まで見送ってきた動物たちは、どうだっただろう。

 そんなことを考えながら、でんと暮らした17年間を思い出している。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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