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はじめての夜間緊急診療(1)

前夜に緊急診療を受けたと思えない様子でくつろぐケフィ 振り返ってみればここ3年のケフィは11月から12月にかけて毎年「生死の境をさまよう」病気を患ってきた。

 2014年にはメニエール病、2015年には心膜に水が貯まる心タンポナーデ。そのたびごとにケフィの体調はガクンと落ちた。メニエール病の後はすっかりボール投げができなくなったし、心タンポナーデの後には長い散歩ができなくなった。

 走り回るケフィの姿を二度と見られないこと。「どこまでも一緒に歩いて行こう」と誓ったケフィとの散歩ができなくなったこと。いずれも私にとっては受け入れがたい現実だった。
 でも、たぶん客観的に見れば高齢のケフィが持ちこたえられたことが奇跡に近かったのだと思う。

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九死に一生を得た

空飛ぶ絨毯よろしく運ばれるケフィ この11月には胸水のたまり方が異常に早くなったことに気づかず、九死に一生を得た。家族(人間)が無事退院できたので「のんびり温泉にでも」と旅行したときのことだ。

「旅行の前日では疲れるだろう」と2日前に病院に行き、胸水を抜いてもらった。通常であれば、1週間程度は楽に過ごせるはずだった。
 メニエール病以後は、遠出の際は主治医とも相談し、宿は「もしも」に備えて必ず夜間緊急がある動物病院の近くにして日頃通っている病院まで数時間で戻れる距離と決めていた。
 そしてその日の夜中、「もしも」が起きた。


危険のサイン

 移動の車の中で、ケフィははじめてトイレを失敗し、宿についてもだるそうに横になっていた。食欲もいつもの半分くらい。それがたぶん「不調の警告」だった。
 だが、それを見逃した。秋口から大食漢のケフィも寄る年波には勝てず、「食ぼそり」や「選り好み」が始まっていたため、「食べたい気分じゃないんだ」と思ってしまった。

 そろそろ日付が変わる頃、最後のトイレに連れ出したとき、ケフィが「ハァハァ」と機関車のような激しい息づかいをはじめ、立ち上がれなくなってしまった。舌を見ると真っ白。私の顔面も蒼白になった。
「舌が白くなっていたら危険のサイン」と、常々、主治医から言われていたのだ。

 すぐに近くの緊急病院に連絡し、駆け込んだ。状況を説明すると、獣医師は目を丸くしてこう言った。

「そんな病気の、高齢のゴールデンを連れて来たんですか?」

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はじめての夜間緊急診療(2)

夏の旅行中も実は胸水チェックをしていた 夏の旅行中に行った病院でも思ったのだが、ケフィが日頃受けているのは高度医療に入るらしい。さらに、そんな状態の犬を連れて出かける人もほとんどいないらしい。

「もうすぐ16歳のゴールデンで、リンパ腫と肺の血栓を患っています。定期的に胸水を抜いています」

 そう告げると、初めて会った獣医師はみな一瞬たじろぐ。そして必ず「治療はしますが事故(突然死)が起きた場合の責任は負えません」と言われる。さらに、「いつもはどんな針で、どこから、どんなふうに抜いていますか? 立ち会っていますか? 麻酔は?」などなどと尋ねられる。

「念のため胸水の溜まり具合を見てもらおう」と思った夏の旅行中とは状況が異なる。すぐにかかりつけの高度医療を行う病院の夜間緊急に電話した。
 あいにく主治医はいなかったのだが、名前を告げると「あ、ケフィちゃんですね。そこにいる獣医師と替わってもらえますか?」と電話の向こうの獣医師は言い、目の前にいる獣医師に細かく指示をはじめた。

 再び電話を替わると「今、通常行っているやり方を伝えました。それで事態が変わらなかったらすぐにこちらの病院に来てください」とのこと。

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大きなチャレンジ

タリと並んで仲良し

「急激に水を抜くとショック死の可能性があるのでこのくらい(800ミリリットル)だけ抜いておきましょう」(獣医師)とのことだったので、全体量は分からない。しかし、舌が白くなって苦しそうにしていたところを見ると、2リットルは超えていたのではないかと思う。

 実際、その翌々日、主治医がいる高度医療を行う病院に行き、麻酔を使わずにできる限りの検査をしてもらうと、わずか2日しかたっていないのに胸水は1.2リットルもあった。そして、原因ははっきりしないが、軽い脱水状態にもなっていた。

 検査結果からは新たな疾患は見つからなかった。そうなると胸水も脱水も、「リンパ腫が原因」と考えるのが自然ということだ。通常、脱水の場合は皮下点滴で補う。しかしケフィの場合、補った水がすべて胸水になってしまう可能性もある。

「補うよりも溜まらない方法を探りましょう」(主治医)との判断は非常に合理的だったので、私は同意した。簡単に言うと、抗がん剤の量を増やすことにしたのである。
 しかしそれが、大きなチャレンジとなった。
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三度目の奇跡を願う(1)

くさの匂いを嗅ぐケフィ「抗がん剤を増やした影響は1~2週間もあれば出ます。貧血や白血球の低下などの副作用も心配なので、週に一度は血液検査をしながら様子を見ましょう」(主治医)

 その言葉通り、結果はすぐに現れた。白血球がみるみる下がってしまったのである。
 それまで「毎日1錠」だった抗がん剤を「1錠と2錠の日を交互に」しただけ。ほんのわずかしか増やしていないのに・・・。

 11月4日の血液検査では正常値(7200)だった白血球が、11日には5300になった。ぎりぎり正常値を切る値だ。「あと1週間続けて、また下がるようなら薬量を減らす」(主治医)と続行したところ19日には4000まで落ち込んだ。

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激しい下痢

 そのうえ11月半ば過ぎには激しい下痢にも襲われた。
 地元のかかりつけ病院の獣医師たちや、高度医療を行う病院の主治医など、複数の獣医師に原因を尋ねたところ、解答はおおむね以下のようなものだった。

「抗がん剤を増やしたことがいちばんの原因とは考えにくい。ただ、抗がん剤によって白血球が下がっているので下痢が治りにくくなっている可能性はある」

 確かに、季節の変わり目になるとケフィは子どもの頃から下痢をした。そう考えると、下痢は「いつものこと」なのかもしれない。しかし、ケフィの体は「いつも」とは違った。
 例年は数日で止まる下痢が、2週間以上たっても止まらなかった。

“お守り”が“足かせ”に

 ケフィはみるみる衰弱していった。下痢のせいなのか、ほかの要因からなのかは分からないが、食欲も無くなっていった。今までは下痢でも食欲はあったのに、下痢が始まってから1週間もたつと、ほとんど何も口にしようとしなくなった。

「この犬が食べなくなるのは、死ぬときですよ」

 ケフィが子犬の頃、訓練士さんが言った。ケフィのブラックホールのような胃袋に驚いて「いったいどのくらい食べたら満足するんでしょうか?」と尋ねた私への答えだった。

 この訓練士さんのセリフは、長い間、大食漢のケフィを示すいい笑い話だった。多少の病気や体調不良があってもこの言葉を思い出し、回復を待っていられた。
 その“お守り”だった言葉が、今では“足かせ”のように感じられる。
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三度目の奇跡を願う(2)

「段差怖いなぁ」と下をのぞきこむケフィ 例年は下痢が止まるまでの1〜2日は、絶食とはいかないくとも白米とかぼちゃ、鶏ささみを煮たものを少量与えるなどして、胃腸を休ませるようにしていた。
 でも、今回は状況が違う。悠長に構えていたらケフィは衰弱死してしまいそうだった。獣医師たちも「吐かずに食べられるなら、できるだけ食べさせて欲しい」と口をそろえた。

 犬用流動食や「老犬でも食いつきがいい」と評判のシニアフード、栄養補給剤を何種類も与えた。ネット情報で「犬は馬肉好き」と知り、「犬と猫と馬は食べない」という私の信条に反し、試した。

 中には一度は多少、食べてくれたものもあった。そこで「これは食べる!」とオトナ買いすると、見向きもしなくなった。しょうがなく注入器で犬用ミルクや流動食を食べさせることにした。

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でんの最期と重なる

「抱っこしてよ」と見つめるケフィ ぐったりしたケフィを抱えながらミルクを飲ませていると、どうしてもでんすけの最期の姿が浮かぶ。

「死に逝くときはお腹を空っぽにする」
「でんもそうだった」
「もうケフィも長くないのか」

 そんな不吉な考えばかりがぐるぐるして、気が遠くなりそうだった。私は心のなかで手を合わせ、何度もでんにお願いした。

「もう少し、ケフィを私の側に置いておいて。でんのところに連れて行かないで」


ケフィはもう眠りたい?

 この秋くらいから老犬特有の選り好みや食ぼそりの兆しはあったが、11月初旬の頃はまだ往年の食欲は健在だった。

 お気に入りのドッグフードはガツガツ食べていたし、好物の手巻き寿司をつくるとテーブルの側で「今日は手巻き?!」と目を輝かせていた。夕飯時には「なに食べてるの? ケフィにもちょうだい」と、熱い視線を送ってきた。

 夜間緊急搬送された翌日でさえ、家族と鍋を囲んで大喜びしていた(ケフィは鍋の残りを汁ごと食べるのが大好き)。

「犬の1日は人間の5〜6日にあたる」と友人が言っていた。この「わずか半月」はケフィには「数ヶ月」の長さだったのかもしれない。
 ぐったりとして眠ってばかりいるケフィを見ながら思った。

「ケフィはもう眠りたいのかもしれない。無理にゴハンを食べさせようとするのは私の勝手に過ぎないんじゃないか」
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三度目の奇跡を願う(3)

雪の匂いと感触を確かめるケフィ「11月に初雪。都心では54年ぶり」のニュースにわいた朝、もう自分では立ち上がることもできなくなったケフィに介護ベストと後足ハーネスを付けてトイレに連れ出した。

 冬のコートにくるまれたケフィは、まぶしそうに目をしばたかせて雪に染まった公園を見つめていた。うまく立たせてあげると、よろけながらもトコトコと歩き、積もった雪の感触と冬の空気を楽しんでいた。

 思えばリンパ腫という大病を見つけられたのは、今年2月の雪見旅行での事故がきっかけだった。意識がもうろうとしたケフィがふらつき、2メートルの高さから落下。無傷だったが念のためレントゲンを撮ったところ腹水や胸水が貯まっていることが判明したのだ。

「もう一度、一緒に雪を見られるなんて。ケフィ、がんばって生きてくれてありがとう」

「もうこれが最後か」と思った2月の雪見旅行。それからケフィは9カ月も一緒にいてくれているのである。無理やり食べさせることに疑問を持ち始めた私の脳裏に「もう十分なのではないか」・・・そんな思いがよぎった。

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一条の光
 
かつては駆け回った公園の雪景色をながめるケフィ 弱気になりはじめていたところに転機が訪れた。初雪が降った11月24日の午後、ずっとガン治療を続けてきたという人から次のような話を聞いたのである。

「私もいつも抗がん剤を増やすと急激に白血球や血小板が減って下痢が始まり、食欲が落ちる。そのときに無理やりにでも食べるのが大事。点滴よりもやっぱり経口摂取がいい。がんばって口から物を入れるとまた食欲が回復する」

 それはまさに一条の光だった。
「眠りたい」のではなく「抗がん剤の影響」なのであれば、ケフィは回復するかもしれない! メニエール病(2014年)、心タンポナーデ(2015年)という大病を乗り越えてきた犬だ。今回も奇跡を起こすことができるかもしれない!!


「祈る」とは行動すること

 迷いは吹っ切れた。時間を見つけては小まめに流動食を与えるようにした。人間用のケーキや味付け肉なども、私が咀嚼してから食べさせた。
 ふと、クリスチャンの友人の言葉を思い出した。

「『祈る』っていうのは、受動的な行為じゃない。願いを叶えるために行動することなんだよ」

 まだケフィのためにしてあげられることがある! ここ数日の無力感はどこかに消し飛んでいた。
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三度目の奇跡!

一定の距離から見守るタマ


 強制的にゴハンを与え続けてから6日後の11月30日夜、三度目の奇跡が起きた!

 ひどい下痢に襲われてからというもの自分から何かを食べようとしなかったケフィ。ところがその鼻先にアップルパイを近づけると「ぱくっ」と食いついた。そして「もっと欲しい」と催促し、結局、15センチ四方の量を平らげた!

 続いてヒレステーキを持って行くと、こちらも「ぱくっ!」。あれよあれよという間に、200グラム近くを食べた。
 本当はもっと食べて欲しかったのだが、それ以上は「もういい」と首を振って食べてくれなかった。

 以前のケフィであれば差し出されたら、ぜんぶ食べてしまったはずだ。いや、人間が食べている限りテーブルから離れず「ほんのかけらでいいからちょうだい」と、訴えかけてきたはずだ。

ついに下痢が止まった

すぐそばで寄り添うタリ

 そして、その翌日。ついに下痢が止まった!!
 
 それから何度か下痢がぶり返すことはあったが、どうにか薬や注射でコントロールできている。少なくとも何日も続くということはない。

 つくづくケフィの運はすごいと思う。今まで幾度となく「偶然」や「ぎりぎりのところ」で病気が発見され、九死に一生を得てきた。そして今回も、たまたま私がガン治療を続けていた人の話を聞いたことが回復につながった。

新たなステージへ

 とはいえ、ケフィの食欲はだいぶ落ちた。食欲は生命力の証だ。このまま誕生日を無事迎えられるのかはらはらどきどきの毎日が続く。好物のロースト・チキンはすでに注文済み。今年こそ、一緒に美味しく食べられるのか。

 食欲の減退、そして長引いた下痢の原因も気になったので、12月5日に「念のため」再び高度医療病院で全体的な検査をしてもらった。
 1月前の検査では、新しい病気は見つからなかったので軽い気持ちで臨んだ検査。

 だがその結果は、思いもよらない新たなステージの幕開けだった。
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16回目の誕生日おめでとう!

この頃は まだ立ち上がって水が飲めた(12月5日) 12月25日はケフィの16回目の誕生日だった。ほんの少しの量ではあったが好物のローストチキンを美味しそうに食べてくれた。おかげでみんな笑顔でケフィの誕生日を祝うことができた。

 ケフィ、がんばってくれて本当にありがとう! 次の目標は新年を迎えることだね。

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誕生日直前の夜間救急診療

 誕生日直前の23日深夜、嘔吐するかのようなそぶりを見せた後、脳貧血のような状態になって夜間救急にかけこんだ。

 車の中で意識を取り戻し、診てもらったときには普通の状態に戻っていたので結局、原因は特定できなかった。

 担当した獣医師は「いくつも要素があるので何とも言えません。いちばん可能性が高いのは小さな血栓が飛び、一瞬詰まって脳貧血を起こしたのでは?」と言っていた。

ジェットコースターに乗っているよう

これが自分の足で公園を散歩した最後の日(12月9日) この1月はジェットコースターに乗っているような日々だった。

 ケフィが11月半ばから激しい下痢に襲われ、体力が消耗して起き上がれなくなった。慌てて後ろ足ハーネスを注文し、介護ベストと共に装着して外に連れ出せていたのもつかの間。12月10日過ぎには、それらを装着しても歩くことが難しくなった。
 
 立ち上がっての排泄が厳しくなったので、おむつ生活になり、ほぼ寝たきりになった。
そして同時期から、目の前に水飲みを置いておいても自力では飲もうとしなくなり、人間が口へと運んであげなければならなくなった。

 食欲が回復したと思っていたのに、瞬く間に総合栄養食の類をほとんど食べなくなり、そのとき気に入ったものをほんの少量しか口にしなくなった。


気持ちの整理がつかないまま

 ぐっすりと眠っている姿は「泳ぎすぎて疲れちゃった!」と爆睡していたときと同じないのに、ケフィにはさまざまな変化が起きている。  

「先月にはできていたのに」とか「ほんの数日前はこうじゃなかったのに」ということが次々と起き過ぎて、その変化に私がついて行けずにいる。
 私の気持ちの整理が間に合わないまま、ケフィの人生だけが先へと進んでしまっている。
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新たなステージへ

泳ぎ疲れた後と同じ寝顔で爆睡中

 12月5日の検査ではケフィの体に大きな変化が起きていることが分かった。

 1月前(11月4日)の検査時には、以前からあった疾患(リンパ腫、血栓、肝臓内の血ぶくれのようなもの)以外は見つからず、「高齢なのに、心臓はきちんと動いているし、尿の濃度も基準値以内できわめて健康」と主治医のお墨付きをもらった。
 だから「胸水の溜まり方が早くなったのはリンパ腫が原因」と考えるのが自然ということで抗がん剤を増やすことになったのだ。

それって・・・「老衰」?

若い頃と変わらないおすまし顔 しかし、今回は違った。腎機能が低下したのか尿の濃度が薄くなり、心臓の動きも弱まって、脱水や循環不全が起きていた。もともとケフィは薬の副作用で貧血もあるし、胸水が溜まるから肺が圧迫されて息が苦しくなりやすい。

 これらの要因が重なって体内をめぐる酸素量が減り、「ハァハァと苦しそうな息をする」症状として表れたり、脳貧血のような状態を起こしやすくなっているのではないかという。

「今の状況は・・・『老衰』ということですか?」
 おそるおそる尋ねると、主治医は言った。

「たとえば心臓の動きが悪くて体中にうまく血液を巡らせることができないという状態があります。でもこれは『心臓病』ではありません。『心機能の低下』です。ですからこれをお薬で改善しようとするのは、なかなか難しいかなと思います」

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肝臓に大きなしこり

 そしてもうひとつ。1月前にはまったくなかったものが見つかった。

「表面から体を触っても分かるくらい肝臓が硬くなって、映像でも大きなしこりが確認できます。1月でこの大きさになったとすると悪性の可能性が高いでしょう」(主治医)

 今までの高分化型リンパ腫(わりとマイルドながん)が悪性度の高いものに変化したのか、まったく違うガンができたのか。いずれにせよ悪性腫瘍だとしたら、今までケフィが飲んできた治療薬では効かないという。

「特定するには肝臓に針を刺し細胞を取って検査する必要があります。しかし、針を刺したことでしこりが破裂したり、はがれて大量出血したりする可能性もゼロではありません。もともとケフィちゃんは、血小板や白血球が減っていますから、やるのであれば輸血や開腹手術の準備が必要です」(主治医)

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選択と判断、そして決断

また写真撮ってるの? この1年を表す言葉はなんと言っても「判断」だ。2月の雪見旅行でケフィが倒れて以来、いったいどれだけの「判断」を迫られたことだろう。

 緊急診療を受けるべきか、休ませるべきか。麻酔を使ってまで検査をすべきか、止めるべきか。治療を開始するのか、見送るのか。薬を増やすのか、減らすのか。外に連れ出すのはリフレッシュになるのか、負担に過ぎないのか・・・。

 それこそ、今、ゴハンを食べさせるべきか、寝かせておくべきかというような日常レベルのことまで。
 挙げたらキリがないほど、毎日、なにかしらの「判断」を迫られてきた気がする。


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12月5日も

この頃はまだ起きている時間も多かった(12月19日) 12月5日の検査時も「判断」を迫られた。リスクを冒してまで肝臓の腫瘍を特定すべきか、否か。「判断」するには選択肢が必要だ。私は「検査で新たながんと分かったら、どんな治療をすることになりますか?」と尋ねた。

「今の薬では効かないので、強い抗がん剤を使う必要があります。そうすると嘔吐や下痢、食欲不振など強い副作用がで出る可能性も上がります。もちろん中には副作用が出ないコもいますが・・・」(主治医)

 2時間ごとに下痢を繰り返し、ぐったりとして食欲がなかったときのケフィの姿が浮かんだ。二度とあんなケフィは見たくない。家族もエネルギーを消耗し、疲れ切ってしまう。そこでもうひとつ質問を重ねた。

「『こういうコは副作用が出にくい』という傾向のようなものはあるんでしょうか?」

 主治医はほんの数秒沈黙してからこう言った。

「これはあくまでも私の経験から、の話ですが、副作用が出にくいコの場合、抗がん剤があまり効かない傾向にあるような印象はあります」


心は決まった

 リスクを冒して検査をし腫瘍を特定できたとしても、その先にまっているのは副作用に苦しむか、抗がん剤が効かないという現実。・・・だとしたら。

 それらの選択肢を前に、私の心は決まった。
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もしかして余命宣告?

お気に入りのぬいぐるみをまくらに「これ以上のがん治療はしません。だから検査も必要ありません」

 そう告げると、主治医はゆっくりとうなずいてから口を開いた。

「分かりました。そうなると、これから1~2カ月の間に『何か大きなこと』が起きるかもしれません。そのことだけは覚悟しておいた方がよいと思います」

「何か大きなこと」。・・・それはケフィが天寿をまっとうするということではないのか?

 とっさにそう思ったが、言葉にはできなかった。あまりにも恐ろしくて。口にしたらそれが本当になってしまうような気がして、とても主治医に確認することができなかった。

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これ以上のがん治療はしない

「何してるの?」と目で問いかけるケフ ィ おそらく、さらなるがん治療をしても延ばせる命はわずかだ。その短い時間のために、副作用と闘って欲しいとは思えなかった。何しろケフィは人間なら100歳を超えている。そのケフィにこれ以上の負担はかけたくなかった。

 できることなら、なるべく穏やかに苦しまず、美味しい物をいっぱい食べて、「あー、楽しかったぁ」と笑いながら、でんすけのところへと旅立って欲しい。

「だからもう、これ以上のがん治療はしない」

 
間違っていないと思うけど

 その「判断」は今も間違っていなかったと思う。いくつもの選択肢のなかから最善の「判断」をし、決断したと信じている。

 それでも少しずつケフィの体から生命力が流れ出て行くさまを見ていると心が揺れる。「ちょっとでも長くそばにいてもらう方法はないのか」と思ってしまう。
 
 どんなにしっかりと握りしめていても指の間から砂がこぼれていくように、静かに、でも確実に、愛しいケフィの命が失われようとしている。それが分かっていながら、もう私にはなすすべがないのだ。

 私にできることは、なるべく苦しまないように対症療法を続けること。できるだけおいしいゴハンを食べさせ、新鮮な水を飲ませてあげること。体やベッドを清潔にして快適に過ごさせてあげること。苦しそうなときにはそばにいて声をかけたり、抱きしめたり、撫でてあげること。
 
 私にはもうそんなことしかできないのだ。
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ブログリニューアル
このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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