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ふれあいファーム訪問記(3)

 ところで、このふれあいファームには我が家との共通点があった。「なぜか野良猫が寄って来る」(ふれあいファームの場長)というのである。

 訪問したこのときには生後2週間程度の子猫もいて、まだ人慣れしていない三毛の母猫が目下、子育て中だった。きっとこの猫も、でんすけと同じように「安心して子どもを産み、育てられそうな場所」を探してさまよい、この牧場にたどり着いたのだろう。

 人間との絆を築くにはまだ時間がかかりそうだが、きっと次に訪問する頃にはすっかり家(牧場)猫になっていることだろう。

タリに似た白黒猫と遭遇

無類の人なつっこさで訪問客を迎えるハナ(クソ) 今回、逃げることなく私たちを出迎えてくれたのはタリを思わせる白黒の猫だった。模様だけでなく猫並み外れた人なつっこさと、抱っこ好きの様子が「タリにそっくり!」だったのだ。

 実はこの子も、拾われた猫だという。近所にあるダムのあたりでさまよっていたところを牧場スタッフが見かねて保護。無事、家(牧場)猫となったそう。

 最初の頃は人間を警戒していたそうだが、今ではその片鱗も無い。
 ちん入者である私たちが厩舎に入って行くと、どこからともなく現れ、足下に絡みつきながらごろんとお腹を見せる。撫でてあげると嬉しそうに目を細めて「もっと、もっと」と、さらに寄って来る。

 車のトランクを開けると、見ず知らずの人間の車にもかかわらずさっさと乗り込み、中を探検。降ろしてもまた、乗っかろうとする。人間をすっかり信頼しているようだ。よっぽど牧場の人たちがかわいがっているのだろう。

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やっぱりセカンドチャンスは必要

人の輪の中心にいるのが大好きらしい 白黒の猫の名前を尋ねると、「ハナクソ。顔をじっと見てたら、最初はほくろみたいなのがあるなぁと思ったけど、そのうちハナクソに見えてきたから」(場長)とのこと。

 こんなにかわいい猫にハナクソという名前・・・それを聞いて一同唖然。いくらなんでもかわいそうなので、「せめてハナにしてあげてください」とお願いし、牧場を後にした。

 馬同様、愛されて、安心して暮らしているもと野良さん猫にも会い、セカンドチャンスの必要性を深めた訪問だった。

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「通い猫」の続報

美味しいゴハンをもらっていたのかまぁるくなって再登場 数週間、姿を見せなかった「通い猫」が、また通ってくるようになった。久々に会った「通い猫」は、すっかり大きく(ぽっちゃりと)なり、まるで別猫のように膨らんでいた。
 どこかでおいしいゴハンをくれる人がいたのだろうか。きちんと世話してくれる人が見つかったのだろうか。

 それなら安心なのだが、一方で警戒心がすごくなってしまったことが気になる。以前はドアの前で「開けて~」と声をかけてきたり、人間が出て行くとからみつくようにスリスリしたり、家の中に入ってきたりもしていたのに、戻ってきてからは一定の距離からは近づいてこない。家の中にも入ってこないし、やってきても声もかけない。

 人が離れるとゴハンを食べ、人が近づくと後ろに引ける。まるで出会ったころに戻ってしまったみたいだ。家に来ない間、どこかで人間に怖い思いをさせられたのかもしれない。

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留守中に攻防が?

 11月半ばから12月あたまにかけ、私は北海道だけでなくあちこち行かねばならない用事が続き、不在がちだった。
 そのせいもあるのか、私がいない間にまた勢力争いが起きたようで11月後半から「通い猫」が姿を見せなくなっていた。

 「通い猫」がいなくなったのと入れ替わるように、しばらく見かけなかった白黒猫が頻繁に目撃されるようになった。家人とは「留守中に攻防戦があって『通い猫』が負けたのでは?」と話していた。

「通い猫」再び

人を怖がるようになってしまい、また一から関係づくり そしてその後、白黒猫はタマに負け、去って行った。「通い猫」が姿を見せなくなってしばらくしたある日、家人が戸を開けっ放しにしていたところ、家に入ろうとしていた白黒猫にタマが飛びかかって威嚇し、追い出したそう。タマにとっては初めての勝利?! しかもあんなに強そうな猫に挑んだのはすごい。

 家猫になって自信がついたのか。それとも、臆病だからこそ家を守らねばと火事場の馬鹿力を発揮したのか・・・。いずれにせよ、「白黒猫」がいなくなり、それから10日ほどして、再び「通い猫」が通ってくるようになった。

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名前は「キチ」

丸々と太った様子は上から見るとまるでツチノコ いっときはデッキ側の窓を開けるとすぐに飛んできて、玄関を開ければ声をかけてくる・・・というように、「家のデッキの下に住んでるのかな?」とも思った「通い猫」だが、今は本当にどこかから通ってくる。そして、数日、姿を見せない日もあるから、やっぱりどこかメインになるお家を見つけたのかもしれない。

 それでも、家のことを忘れないで「何かあったら、ここの家に行こう」と思ってくれているなら、それで十分だ。

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三つの意味を持つ名前

一心不乱にご飯を食べる! ところで再登場した「通い猫」に、実は名前をつけていた。

 しばらくぶりにやってきて、すっかり人を怖がるようになっていたが、何回目かの訪問のとき、デッキ側からわずかに家の中に入り、再び私の足下にスリスリしてきた。その様子を見て、「この子には名前をつけよう」と決心したのだ。

 名前は「キチ」。三つの意味合いをかけて、そう名付けた。

(1)体の模様キジトラの「キジ」をもじっていること、
(2)ふっくらと幸せそうな様子で戻ってきて我が家に「吉(幸福)」をもたらしてくれそうなこと、
(3)たとえどこかにメインのお家ができても、我が家を「困ったら逃げ込める『基地』」のように思ってくれたらいいな、と願ったこと


大切なのはキチが幸せになること

 キチがどこかのお家の子になれたのは、我が家で人を信頼する経験を積めたからなのかもしれない。それなら私は十分満足。
 大切なのは、キチが幸せになってくれること。「新しい子として迎えたい」と、今も思ってはいるけれど、それはキチが選ぶこと。
 
 今年の冬はとっても寒い。キチがどこかでぬくぬくハウスを手に入れていればいいなぁと思う。 
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今年3回目のお葬式 ーーゆめ、天へと返る

 昨日、今年3回目のお葬式をした。12月23日の夜中、もう日付が変わる頃、ゆめが天へと返っていったのだ。
 昨日の夜、りゅうとでんとケフィ、そしてタリを見送ったのと同じ霊園で荼毘に付した。

 21歳と7カ月の生涯。ケフィに続き、霊園の方から「うちの霊園で荼毘に付した猫のなかで最高齢!」と驚かれた。

2日前までは元気だったのに

お腹をブラッシングされるのが至福! ここ半年くらいで、すっかり足腰が弱り、食べ物のえり好みが激しくなっていたゆめ。でんすけと同じ甲状腺機能亢進症があり、その影響が心臓にも出始め、階段の上り下りも大変そうで、ときおり「はぁ、はぁ」と苦しそうに息をしていた。

 それでも先週くらいまでは、気に入ったフードをちょこちょこ食べ、大好きなカツオの刺身は「はぐはぐ」と音を立てて食べていた。晩年のケフィが飲んでいたヤギミルクもけっこう口に合っていた。

 亡くなる2日前(21日)までは、よろよろしながらも家の1階と2階を行き来して、転げ落ちそうなっては「ギャォ!(うまく上れないじゃないか!)」と文句を言っていた。 何より、自らベランダに出ては「ブラッシングして!」と要求する元気があった。
 ふわふわの綿のような被毛が大量に出るゆめのブラッシングの場所はベランダと決まっていたので、「ベランダに出ればブラッシングしてもらえる」と思っていたのである。

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ブラッシングはコミュニケーション

たっぷりブラッシングされて満足顔

 ここ1年くらい、ゆめはとくにブラッシングが大好きになった。人間が家の1階にいると自分からベランダに出て、窓ガラスの向こうから「ブラッシングしてよ!」と何度も声をかけてきた。

「今、忙しいから」「後でね」と、人間がブラッシングをスキップしようとすると、いったん部屋に戻ってきて足元で「ギャ~オッ~」と大声で自己主張。再びきびすを返してベランダに上り、じーっとガラスの向こうから熱い視線を送ってきた。
 最後は、人間の方が根負け。「じゃあ、ちょっとだけだよ」とベランダに出て行くのが常だった。

 きっとブラッシングが人間とのコミュニケーションで、「ねぇねぇ」とブラッシングを催促すると「なぁに」と人間が顔を向けるから、嬉しかったのだろう。

12月25日はケフィの誕生日

 そんな調子だったから、まさかこんなに早く、虹の橋に向かってしまうなんてだれも予測していなかった。

 今日12月25日はケフィの誕生日。ほんの数日前までは、最近弱り始めたゆめを世話しているとケフィの姿が重なるので、ふたりの話を書こうと思っていた矢先だった。
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ゆめ、天へと還る(1)

じーっと見つめられるとついつい人間が従ってしまう 命や「もの」や「こと」がもとの状態や場所に戻ることを「かえる」と言う。ネットで調べたところ「『返る』はたんに『もとに戻る』こと。『還る』は多くの地点を経由したり、さまざまな過程を経て根源となるところへ戻ること」(「返る」と「帰る」「還る」の違い)だという。

 私を含めて生命は宇宙(そら)からやってきた星屑に過ぎない。ゆめもそう。そんな星屑が、私たちと出会い、かけがえのない存在として一瞬の逢瀬を楽しみ、元の場所に還っていったのだ。

 今頃はきっと「みーちゃん」さんが言うとおり、「胸を張ってお空を闊歩」しているに違いない。バターやケフィのもとへと元気なころのままの姿で、キングギドラさながらの「ギャ~オ~」と元気な雄叫びを上げて、走って行っているに違いない。

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「これで最期」と思う瞬間

12月に入り寝ている時間が多くなっていた

 ゆめが亡くなる日の昼頃、点滴をするために預けてきた病院から電話があった。

「お腹に水が貯まり始めていますし、心拍数もすごく上がっていてこのままでは危険です。利尿剤をかけて、心拍数を抑える薬を使って、詳しい検査もしてもいいでしょうか」(獣医師)

 同意をして電話を切ったあと、家人と「いよいよ最期のときに入ったね」と話した。

 でんのときも、ケフィのときもそうだった。ある一線を越えると、もう命は人の手を離れる。それまでは「どうにかして」「あと少し」と回復を望んで手を尽くす。けれど、なぜか「ああ、もうこれで最期だ」と思う瞬間が必ず訪れる。

駆けて行ってしまったゆめ

 私が愛した動物たちは、それから1月くらいで、みんな天へと還っていった。その間、私にできることは、なるべく穏やかに、苦しむことなく「幸せだった」と思って最期のときをむかえられるよう、手助けするだけだ。

 ゆめとも、そんな1月をこれから過ごすつもりだった。一緒にケフィの誕生日でもあるクリスマスを祝い、お正月を迎え、家族でなるべく一緒にいて、静かに、寂しくないようにしながら、命を看取るつもりだった。
   
 ところがゆめは、そんな時間も与えてくれずに天へと駆けて行ってしまった。きちんとお別れをする間も無く、私たちと過ごしてくれたお礼を伝えることもできないままだった。
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ゆめ、天へと還る(2)

だんだん小さくなってきたゆめ「天寿をまっとうする」という言葉は、ゆめのためにある言葉のようだ。

 ケフィもでんも長生きだったが、最期の1月はほぼ毎日のように病院に通った。食べ物を口にしないので点滴を打ち、腹水や胸水を抜いた。家で留守番させておくよりも病院に預けておいた方が安心だった。

 ところがゆめは、病院に預けて点滴をしたのはたったの2回。亡くなる日と、その前日だけだ。
 本格的に食べなくなってきたのは亡くなる1週間ほど前だし、前にも書いたように亡くなる2日前まで家のなかを自由に歩き周り、階段の上り下りまでしていた。

 荼毘に付したときにも、でんやケフィのときにはあった黒い塊(病気があった場所がそうなるらしい)は見つからず、真っ白な骨だけが残っていた。霊園の方も「どこも悪いところが無かったみだいだから、この猫は本当に老衰だね」と言っていた。

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別名「神の猫」

バターと一緒に遊んでいたキャットタワーが祭壇代わり 耳が聞こえず、捨てられたゆめは、たまたま通りかかった人間に拾われ、飼い猫になった。耳が聞こえないおかげで恐怖心も警戒心も少なく、カラスや犬とも友達になれた。何より独特の鷹揚さと愛嬌で人間にとても愛された。

 耳が聞こえないことをものともしないこと。偶然の出会いで我が家へとやってきたこと。他の猫に襲われて背中の皮が全部はがれるほどの傷を負っても、生き延びて家に戻ってきたこと。病気一つせず、21歳7カ月まで生きたこと。

 そんなことから家族の間でゆめは別名「神の猫」と呼ばれている。


神様への報告が終わったら

 真っ青な目をした真っ白なゆめは、「もしかしたら神様が我が家に使わした『神様の猫』だったのかもしれない」とも思う。奇跡的な力を持った「神がかった猫」でもあるし、存在そのものが神のようでもあった。
 いずれにせよ、神にうーんと愛された猫だった。

「神の猫」は胸を張って天へと還って行った。「みーちゃん」さんが言うように、今頃は空を闊歩しているに違いない。いや、そろそろ神様のもとへたどり着き「人間とたくさん遊んでやった」と、人間界での出来事を報告しているかもしれない。

 報告が終わったら早く毛皮を着替えて、また人間界に降りて来るんだよ。
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このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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