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キチの家出

私の布団を取り合うタマとキチ。今回はタマが布団のてっぺんに 猫窓を封鎖して数日後、夜中にキチが脱走した。

 猫が外から押しても動かないよう、大きなまな板を2枚重ね、漬け物石と4キロのダンベルを置いて侵入猫を防いだ。そして「タマやキチは、人間がいるときに外出させてあげればいいや」と安易に考えていたが、これらの障害物を押しのけてキチは外に出て行った。
 
 キチがどかした障害物を戻し、再び猫窓を封鎖したところ、キチはデッキや玄関からやってきて声をかけ、家の中に入って来るようになった。そんなことを何回か繰り返したある日、24時間近く帰って来なかった。

 その日から、キチの帰宅が不安定になった。そして帰って来てもご飯を食べるとすぐに「外に行きたい」と猫窓の前で意思表示して出ていってしまう。その様子を見ていて、封鎖を解除することにした。タマとキチの安全を守るための封鎖なのに、キチが家に寄りつかなくなってしまっては意味が無い。

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まる3日も姿を見せず

 ところが封鎖を解除した夜からまる3日、キチが姿を現さなくなった。以前は数週間姿を見せないこともあったキチだが、5月半ばくらいからはほぼ「家で暮らしている」猫になり、一日のほとんどを家の敷地内でタマと過ごしていた。

「一山越えた」と思った5月26日の猫窓開放! 後は、ときどき外に散歩に出るもののでんのおさがりクッションを陣取って爆睡し、人がいても平気で家のなかで毛づくろいするようにもなり、「これはもうイエネコになったんじゃない?」という暮らしぶりだった。

 だから猫窓を封鎖しても、いったん封鎖した猫窓を開放しても、「大丈夫だろう」とたかをくくっていたのだが、見事にあてが外れてしまった。

外から来る猫を受け入れるリスク

ついこの前までクッションで爆睡していのに・・・ 家出から3日目となる夜中、キチを探して近所を歩いた。「タリのこともこうやって探したなぁ」と考えていると、「もしかしてタリのように事故にでも遭ったのではないか」と、不吉な考えが頭をよぎる。

「ちょうどキチが顔を出すようになって1年。まさか『1年限定』で毛皮を着替えて会いに来たわけではないよね」
「家にやってくるコは不幸に見舞われることが多いのだろうか」
 ・・・そんなことを考えながら、必死になってキチの名前を呼び続けた。

 前にも書いたことだけれど、ふらっとやってきただけの、いてもいなくてもいいはずだった存在が、いつの間にかこうやって無くてはならない存在になってしまう。だから外から来る子を受け入れるのは、いつも怖い。

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事情の変更?

日がな一日、玄関や猫窓を見つめてキチを待つタマ すっかりイエネコになりつつあったキチの家出。家を拠点に考えはじめていたとしか思えないのにもう三日も帰ってこない。
「もうこれはペットレスキューを頼むしかないのか」とも考えたが、万が一、キチの意思で出て行ったのだとしたら、探偵を使って連れ戻しても意味が無いことだ。

 そこで、キチが自らの意思で出て行った場合、どんな事情の変更があったかを考えてみた。思いついたのは次の三つ。

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考えられる家出の理由

からっぽのキチのクッションを寂しげに見つめるタマ(1)キチはやっぱり通い猫で、しばらくぶりに他のお家に行ったところ、そのお家の人があまりやってこなくなったキチを心配して閉じ込めた。

(2)タマよりも好きなガールフレンド猫ができて追っていった。

(3)人間がいないときに白猫にふたたび襲われ、かなり怖い思いをした。

(1)の場合、寂しいけれどキチがどこかで元気にしているならば受け入れざるを得ない。しかし、本当にそうなのかどうかは分からないのでやはりペットレスキューが適用になる。

(2)なら、熱が冷めればまた戻ってくる可能性もあるが、(3)ならかなり心配だ。ここのところ、白猫に襲われるなど怖い目に遭っても丸1日経てば戻ってきていた。
 それが三日となると「ここの家はかなり危険」と認識してしまったのかもしれない。

 ・・・となると、探偵を使って連れ戻してもまた出て行ってしまう可能性大だ。


キチが戻った!!
 
 「猫は飲まず食わずでも4日は生き延びられる」と聞いたこともある。逆に言えば「4日過ぎれば危ない」ということだ。

 キチが家出して4日目になる朝、「もうこれは再びペット探偵に依頼するしかない」と考えていたら、キチがひょっこり戻ってきた。

 最初に気づいたのは、キチの帰りを心待ちにしていたタマだった。
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キチが戻った!


 家出から4日目の朝、タマがすごい勢いで階段を駆け上がり、鳴きながら2Fの私の部屋へと飛び込んできた。寝ている私の上を飛んだり跳ねたり。
「寝てる場合じゃないぞ!」「早く起きろ!!」と言わんばかりだ。

 そして、ひとしきり飛び回った後、またダタダダッーーー! とすごい音と立てて1Fへと下りていった。

「いったいなにごと?!」と思って1Fに行くと、そこにはキチの姿が!!

やはり白猫に負けた?

一心不乱に食べ続ける「キチッ!! どこへ行ってたの! 心配したんだよ!」と叫ぶと、相変わらず「にゃぁぁぁ」と消え入りそうな声で返事をしながら、足下に寄って来てスリスリした。
 心なしかまた痩せたようである。

「ご飯食べようね。お腹空いたでしょ?」と尋ねると、また「にゃ」とほとんど口パクで返事。

 しかしご飯を入れてあげるとガツガツと一心不乱に食べ始めた。よほどお腹が空いていたのか。とっておきの猫缶をまるまるひとつあげたのにまだまだ腹が膨らまないようだ。

 そのキチの様子、さらには昨夜、キチを探して歩いたとき、真ん前のお家の門扉にあの白猫が乗っかってこちらを見ていたことから、「やっぱり白猫との戦いに負けたんだ」と確信した。どこかのお家でご飯をもらえていたという雰囲気ではない。

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猫窓を再封鎖すべきなのか

痩せて小さくなったキチ。 ・・・だとすると、本当はキチもお家に帰ってきたいのか? やっぱり猫窓は封鎖するべきなんだろうか。
 しかしその日も、キチは猫窓から入ってきた。そこを塞いでしまったら、キチが「帰ってきたのに入れない」とあきらめて、どこかへ行ってしまうなんてことにはならないだろうか。

 いや、そもそも前回のように猫窓を封鎖してもキチが自力でこじ開けて出て行ってしまうなら、塞ぐ意味はあるのだろうか???

 またまた頭を悩ませている。

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間遠になるキチの来訪

 その日、キチは戻ったもののご飯を食べて少しだけ寝そべると、すぐに猫窓から出て行ってしまった。

 翌日は大雨の中をずぶ濡れの姿で早朝(4時半頃)にやってきて、2Fで寝ている私に声をかけた。一緒に1Fへと下り、ご飯をあげると、またガツガツと食べ始める。

「キチ、ここにいていいんだよ。ここはキチのお家なんだから。人間がいるときはだいじょうぶだし、何かあったらタマと一緒に2Fに逃げたらいいんだから」

 そう、なでながら声をかけた。キチはときおり食べるのを止め、私の方を見つめた。話を聞いてるのか?

しばらくすると出て行ってしまう

クッションではなく床に寝転がるキチ しかしその日も、私が「もう一眠りしよう」と横になっている間にキチは出て行ってしまった。キチのクッションに寝た後(濡れたあと)があったので、少しは安心して眠れたのだろうか。

 さらにその翌日は、私が出かける支度をしているときにやってきた。ご飯を食べ終わると、クッションに乗ろうか乗るまいか、考えている様子だった。クッションの前まで行って手を伸ばしては引っ込め・・・また手を出す・・・を繰り返し、結局はクッションではなく床で寝始めた。

 ぐっすり眠っているようだったので、そぉっと出かけ、戻るとキチはいなかった。

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遠のくキチ

家出から戻った当初は毛づくろいもしてたけど・・・ その後は、朝と晩、もしくは朝だけとか夜だけやってきてはご飯を食べ、ほんの少しだけ「ごろん」とすると出て行ってしまう日が続いた。

 そしてそれが1日おきになり、最近は1~2日おきに、朝か晩のどちらかに来て、ご飯を食べると「ごろん」ともせず、出て行ってしまう。

 心なしかスリスリしてくることも減った。いったいキチに何が起きたのか。

 ついこの前までは「もうすっかりイエネコ!」になりつつあって、そろそろ抱っこも夢ではない気になっていたのに。
 ほんの少しの間に、キチの心がうんと遠くに行ってしまったみたいだ。

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「危険な暑さ」のなか

今日もやっぱりキチを待つタマ 連日天気予報が「危険な暑さ」「命に関わる猛暑」と脅すなか、キチが5日も姿を現さなかった。

「ちゃんと水は飲んでいるのか」
「熱中症になって倒れているのでは?」

 心配で夜も眠れない日が続いた。うとうとしてもちょっとした物音で起きてしまい、そうすると不安の考えがぐるぐるした。

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ぼく、もとからイエネコでしたけど

 久々に遊びに来た親戚がくつろいでいるキチを見て、「なんかすっかりイエネコだね」と言うと、キチがくるっと振り返った。その様子を見た人間たちが「今、『ぼく、ずっとイエネコでしたけど、何か?』って言った感じだよね」と笑ったのはつい数週間前。

 今さらながら、猫窓を開放したことが悔やまれる。しばらくの間、他の猫の侵入もなかったし、あれだけ懐いているふうだったキチだから、何かトラブルがあっても「ここがお家と思って戻って来る」とたかをくくっていた。

 やはりまだ野良さん気質が抜けないのか。それとも男の子だから、テリトリー意識が強いのだろうか。「ここは白黒猫のテリトリー」と思ってしまったのかもしれない。

ここはキチの基地だから

5日ぶりに戻ってきたキチ いったい何があっても、ここはキチの基地だから。だからキチ、何かあったらここに帰っておいで。困ったときは必ずここに戻っておいで。

 ーーそんなふうに祈りながら、「『危険な暑さ』が続いているなか、安否の確認をするためにやはりペット探偵を依頼すべきではないか」と思い始めていたところ、またまたキチが戻ってきた!!

 姿を見せなくなって6日目に入ろうとしていた夜中のことだった。

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どこかで人間にかわいがられていた?

マットの上で毛づくろいするキチ 5日も家を空けていたわりには、あまりやせてはいない。前回まる三日家を空けて戻ってきたとき、とってもやせていたのは、たんに暑さのせいなのか? 水を飲めていなければ危険な暑さが続いていたのに、体調も悪くはなさそうだ。

 前回、家出から戻ってきたときには、どこか脅えているような警戒しているような雰囲気で、甘えてこようともしなかったのに、今回はやたらにスリスリしてくる。
 毎日、家で暮らしていたときのように私が歩く度に足に絡みついてきて、後を付いてきたりする。

「もしかしてどこかのお家で人間にかわいがられて過ごしていたのかな?」

 キチが帰ってきた日、家人とそんな話しをした。

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もし通い猫として生きているなら

 キチが帰ってこない間、心配で夜もおちおち眠れず、早朝覚醒すると嫌な考えがぐるぐるしてしまうなかで「今度、キチがやってきたら絶対に捕まえよう。そして猫窓の無いもう一軒の家に連れて行こう」と考えていた。

 しかし戻ってきたキチの様子を見て、思いが揺れた。もし、キチが通い猫として生きているなら・・・。他にもかわいがってくれる家があるのだとしたら・・・。

 住み慣れた環境やかわいがってくれる人間たちと引き離してしまうことが、はたしてキチの幸せにつながるのか。

GPS装置を装着してみる?

キチにつける予定の首輪をタマで試してみる それからというもの、キチは空けたとしても2~3日に一度はやってくるようになった。ひとしきりゴハンを食べて満腹になると、しばらくの間は「ごろん」としたり、毛づくろいをしているが、小一時間もしないうちにどこかへ帰って行く。

 GPSのようなシステムで猫の居場所を特定する装置を付けてみることも考えたが、充電時間が短かったり、電波をキャッチする範囲が狭かったりして、キチにとってどの程度有用か分からない。

 それに装置は首輪に装着するタイプなので、手の届く範囲に近づかない(人間が立っていると寄ってくるが、かがむと逃げる)キチに首輪ができるかも怪しい。万が一、首輪を付けられたとしても、お手紙を結んでみたほうが良くはないか・・・。

 今日もまた頭を悩ませている。

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このブログは「ミーちゃんを探して」を2017年2月20日にリニューアルしました。
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さいたま市岩槻区で地域猫として住民に愛されていた三毛猫の「ミーちゃん」。 このブログはまず、2008年に行方不明になったミーちゃんの情報収集のためにつくられました。 […続きを読む
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